パイオニアミルワークス社は、1980年代のアメリカで、いち早く建築解体古材(Reclaimed Wood)に注目し、特注の内装材や木造建築の構造材として再利用することを始めた企業です。現在では、20年以上に渡り積み上げた知識と経験を活かし、売上・施工実績・在庫数・製造能力など、北米最大の古材製材会社へと成長しました。
安定供給や品質管理が難しいと言われる古材ですが、アメリカの西海岸と東海岸にある2つの自社工場へ世界中から素材を集めることで、供給能力を向上し、幅広い商品ラインナップの提供を可能にしています。
またその一方で、技術的に誇れる製品を提供するだけではなく、社会や自然環境に対しても、責任感のある会社づくりをしています。例えば、パイオニアミルワークスの工場は、100%風力で稼働し、暖房や乾燥炉は廃材の焼却熱を活用するなど、社内にサステイナビリティ担当のチームを設け、積極的に取り組んでいます。
さらに、森林管理協議会(FSC)の認証取得もその一環です。その結果、環境問題に関心の高いアメリカにおいて、環境に配慮された製品として認識され、パイオニアミルワークスの製品を使うことでLEED認定の評価ポイントを得ることが出来ます。
※LEED認定とは
LEEDとは、Leadership in Energy & Environmental Design の略で、非営利団体の米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用している、環境に配慮した建物に与えられる認証システムです。建築物は企画、設計、施工、運営、メンテナンスに至るまで、多方面から細かく採点されるのですが、客観的な評価が得られるため、世界標準の環境評価として、近年、日本でも広まりつつあります。
全米各地の納屋・工場・公共施設の解体現場から様々な古材が収集され、トレーラーによってパイオニアミルワークス社が誇る全米最大規模の工場へ運び込まれる。
加工前の一番大事な処理である金属除去(釘・金具)は、人の手によって1本1本丁寧に行われる。その後、板状に製材(カット)して、大型乾燥機に送り込まれる。この乾燥機の燃料は製造過程ででてきた端材を活用したもの。古材を決して無駄にしない、パイオニアミルワークスの理念が感じられる。
乾燥後の板材は厳しい品質のチェックを経て、フローリングへの最終加工へ送られる。
綺麗に梱包され全世界へと出荷される。一方では、端材を木材ペレットや乾燥機の燃料へと加工する。高品質へのこだわりだけなく、環境への配慮も忘れない、これがパイオニアミルワークスだ。